Bar 宵闇亭 忍者ブログ
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物語は土曜を遡り、金曜の夜から……。
ふとうおみんを見たらとんでもない記事を発見し、慌ててデスパ直行。
ウワァ素敵なお花畑(棒)
下手人はバラードさん。
そういえば城だか砦だか腐るとか言ってたな……
セキュアの肥しを大量投棄していった模様。
この後花は茎とか染料にされました!



そしてそんな事件の爪痕も忘れた翌日。
珍しく遅刻もせず意気揚揚と出勤した僕の目の前に広がったのは!

ウワァ素敵なお花畑……アゲイン!!(白目)

しかもなんか前よりぐっと見た目が悪い!
すごく毒々しいお花畑!
とはいえ白とかレア色とかの素敵なものもあったので、泣き笑いの顔で
剪定バサミ持って頑張りました。
よくある「早く家出たのに人身事故で電車遅れたよ!」状態。



お花に埋もれて泣きながら準備してる間に続々お客様御来店。
とりあえず見た目のいいノーマル花だけは内装に活用することに。
へへ……女子に人気のお店になれるかな……?



明日はトリンシックのゾンビイベント日。
僕はまるで何も働いてないと思われてたようですが、日記書いたり
ゾンビやったりバリケード積み上げたりけっこう頑張ったんだよ!
バリケードの廃墟感を出すためにこの罠解除で取れる板が欲しかったのですが
罠解除上げってクッソめんどくさいんですね……。
結局チマさんにお願いしちゃいました。
どうもありがとう!



しばらくして、ユー村民1号のシルバさんが御来店。
あれ……なんか……すごくダイエットした?
なんでもここへ来る前にトリンシックの友達に会ってきたんだとか。
えっ、今トリンシック封鎖中じゃないの?
すでにウィルス漏れてるよアーサー君んんん!!!



そんな超スリムになったシルバさんのお代は古文書3冊。
飲みに行きたいなーと思ったら勝手にセキュアに沸いてたそうです。
えっ……そ、それって他の人が入れ……
いや、きっとセキュアの妖精さんだね!
そんな素敵なセキュア僕もほしーい!



と、僕にもセキュアが沸いた!!
しかも高級感溢れる金箱入り!!
ゲホゲホウィルスばら撒いてたお爺ちゃんならぬお婆ちゃんからの
お小遣いのようです。
ありがとうお婆ちゃーん!!



村長も古文書を狙ってくれてるのですが、なかなか出ないそうで……
代わりに副産物のナイトアイを頂きました。
見た目はグラサンかけたガラの悪い海の家のオーナーみたいになりましたが
うおっまぶしっ!!
これサングラスどころかサンライトグラスだよ!!(ナイトサイトついてる)



続いて、ユー村民2号レズンさんがゾンビになって御来店。
またしてもトリンシックに寄ってきたそうです。
トリンシックの警備どうなってんだよ! 衛兵仕事しろよ!
このままではFデスパを基点に世界中にゾンビ拡散しちゃう!
アーサー君早く帰ってきてええええ!!
あとユー村民はもっと危機感持とうね!



そんなのんき極まりないユーですが、今話題沸騰のTC配達クエでは
配達先にユーが出ないという事件にはさすがに愕然としたようです。
なんなの? 田舎過ぎて配達なんか来ないってことなの?
ファンタジーにありがちな、行商人が来ただけでお祭り騒ぎになっちゃう
ド田舎の村設定なの?
まぁ地産地消できちゃうところだから、輸入に頼らず輸出だけしてると思えば
うん……うん……。



なぜかバシネットを被らされバシネット3兄弟誕生。
半裸の兄と妹に挟まれ、常識人に育った次男ポジゲット。
最近裸バシにうるさくなってきたポロンさんの批評では、タングルの
無駄遣い感がたまらないモンちゃんのコーデがポイント高いようです。



スミッコでずっと作業していたダイちゃんのムングロボがついに完成。
こういうのよく思いつくなー。
無機物と有機物の禁じられし融合感がたまらぬ逸品です。
他にもアンロックのソウルフォージを使った核融合炉搭載Ver,とか
まだまだアイディアは尽きないようですね。



今日の総括
トランスフォーマー大好き
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ゾンビイベントにかまけて営業報告がまた溜まりつつある!!
アワワァ

本日の営業。
マニアック生物の育生の第一人者ガレットさんから衝撃の事実で開幕。
えっスライムパン食べないの?! なんで嫌なの?!
なんでも食べてくれるのがウリなのに、普通の主食はイヤだなんて
俺をただのペット扱いすんなよっていうスライムさんの矜持なのかな……。



料理GMについての話になたっところ、少なくとも店内に4人くらいは
料理GMがいることが発覚。
だからか? 宵闇の料理がロクに頼んでもらえないのはだからか?
ショックのあまりひねくれたらリコリスさんが頼んでくれました。
その後カエデさんにも無理矢理メガバーガー食べさせました。



僕、モモエちゃんに売り飛ばされるの図。
僕の貞操がクロさんに大変な目に合わされてても誰も見向きもしない。
誰か助けに入ってくれる勇者様はいないのかよぅ!!



今日もくまーのぺたぺたラッシュを受ける……かに見えた看板。
かかったな! 実は浮いてるんだぜ!
だがくまーがドスンドスンと……いや羽のように軽くジャンプして
ばっちりぺたられてしまいました。
くそっ……まだ高さ足りなかったか……!!



リコリスさんからのお代。
うーむ、お酒名がオシャンティエンヌ!
やはりこういう繊細なセンスに女子力が現れるんだな……。



トラックにも勝てる重量とかダイちゃんと並ぶ出雲あざとい生物だとか言ったら
ガラスのハートが傷ついてしまったらしいくまー。
看板相手にヤンデレ化してしまう。
や、やめてっ! 看板君もう息してないよぉっ!
最近の宵闇亭ヤンデレブームに喜ばなければいけない筈なのに
なんだか喜べない僕……。
ヤンデレは 遠くにありて 思うもの



ダイちゃんがピョコピョコ跳ねてるなぁと思ったら、いつの間にか遙か高みへ。
最近になってようやくゴザエレベーターを会得した僕ですが、この机積み技は
まだまだ高等テクすぎます。



やがて高さに満足したのか、投身自殺を図るダイちゃん。
まさに潰れたカエルとなってデスパの大地の一部となったのでした。



お酒を汲んで帰ってきたら、ウォール宵闇が出来てました。
店内の人間ほぼ全員が建設に関わった大事業です。
主な目的は店内への巨人の侵入を防ぐことではなく僕を締め出すこと。
……許さん許さんぞおお!!



つけまいさんから、今日のミナフ。
真紅のオサレネクタイ!
プレート首ってPDの見た目はすごくいいけどフィールドで反映されないのが
すごく勿体無いと思うの……。



モモエちゃんから、唐突に「モモエちゃんに愛を語りなさい!」と指令。
よし任せろとドヤ顔でソネットとか諳んじてみたのに……すごいダメ出しされる。
なんでだ! シェイクスピア使っとけば間違いないはずだろ!
結局素直にアイラブユーとか愛してるーで合格を貰えました。
もうシェイクスピアなんて信じない。



合格の景品は僕が欲しがってたお魚さん。
なんか欲しいなーと思ってベンサーしたけどどこにも売ってなかったので
僕的ルパン界の大物マリオさんに売ってもらおうと画策してたのです。
やったー! これで木彫りのくまー像とか池とか魚の丸焼きとかできるぞー!
まぁまず家をカスタマしてからだがな……。



今日の総括
今度こそ! 今度こそやるから!
見事生き残り【TRINSIC OF THE DEAD】の主演女優となったMAさんから
まさかの動画が届きました!
どうやら本当に主演女優だったようです。



動画で見ると臨場感が段違いですね。
最初の襲撃でみんな逃げ惑うシーンとか、逃亡中つい他の青ローブと一緒に
たむろしてしまうところとか、後半他の青ローブにゾンビを擦りつけて
自分は逃げ切ろうとするところとか、実にリアルです!
ギリギリ最後まで残っていたのはマーさんとレズンさんとカンベーさんの
3名様でしたが、まさかのワクチン到着数秒前に立て続けに感染してしまった
カンベーさんとレズンさんの悲惨っぷりが あまりにドラマティックすぎて
何か賞を差し上げれば良かったなと思います。
参加者側から見るとちょっと長すぎたかなーとか、もっと緊急放送を
流しても良かったかなーとか、とても参考になりました。
動画撮影ありがとうございました!

それから、みんな大好きホコツのあひるさんが詳細なレポートを書いてくれました!
 出雲プレイヤーイベント:【TRINSIC OF THE DEAD】レポート
せっせとログ管理したり冒険者を追いまくるのに忙しかったスタッフは
全員ロクにSS撮れてなかったので、いろんなSSがが見れて嬉しいです。
逃げ惑ったり追いかけたりで忙しかったろうに、しっかり場面を抑えてて凄い!
さすがプロは違うな…!
  
もちろん他のご参加下さった方、見守ってくれた方、飛び入り出演してくれた方、
協力してくれたスタッフに、改めてお礼申し上げます。

あ、あと僕どういうわけか自分のブログなのにコメント記入ができないので
(プロバイダブロック?)いつもコメントにレスなしでごめんね!

次回のトリンシックイベントは、9月に[Trinsic MODE Auction] 秋の陣を予定しています。
 8月3日(日)夜10時より、ゾンビの反省会とオークションの日程決めをしますので、今回のスタッフ、及びオークション手伝ってやっても良くってよ!な方はパラディン島聖騎士詰め所へお越しください。



7月27日
今日はいよいよ、市民救出計画の決行日だ。
集まってくれた冒険者の士気は高く備えも万全であると報告を受け、私はすっかり安心していた。
ワクチンの制作もすこぶる順調で、あとは次々作られる試作品を改良していくばかり。
これもアルバートの……こういう言い方は妙なものだが、アルバートのお陰だ。
彼の遺体で、私の手元に残ったのは赤茶けた遺髪だけだった。
夜も更けた頃、オフィリオ氏からいよいよ完成品が出来上がりそうだと言われ、トリンシックへ回線を繋いだ。
そこから聞こえてきたのは───
逃げ惑う冒険者たちの絶叫だった。
耳をつんざくようなそれらの中から辛うじて聞き取れたのは、計画が失敗したこと……
それどころか、拠点を制圧された彼らは現在進行形で感染者たちから追われ続けているということだった。
まさに、血も凍る思いがした。
慌てて実験室に駆け込みワクチンの精製を急がせたが、その間もトリンシックから届く悲鳴は休みなく響く。
いや、むしろ悲鳴が聞こえていた方がまだマシだった。
時間が経つにつれ、少しづつ増えていく沈黙。
重く冷たい……死の匂いのする静寂だ。
ようやく完成品と言えるものが出来上がった時には、回線から聞こえるのは感染者特有の獣じみた叫びだけだった。
私はレイやメラニーを振りきって、ワクチンを手にトリンシックへ跳んだ。
そこで見た光景は……あぁ、再びの地獄!
街に溢れかえる感染者の群れ、あちこちに散る屍。
だが救いもあった。
トリンシックの中枢とも言うべき銀行の前だけは、辛うじて生き残ったリンス殿と歩兵隊が死守していたのだ。
私は彼らへのねぎらいもそこそに、感染者へ向けてワクチンを散布するよう命じた。
ずっと長い間、つらい戦いに耐えてきたのだろう。
彼らは手渡したワクチンすら取り落としてしまうほど疲れきっていたが、それでも私の鼓舞に応え、群がる感染者たちに向けてワクチンの散布を始めた。



その効果は劇的だった。
まるで時間を逆戻ししたかのように、感染者たちはみるみる元の姿に戻っていったのだ!
感染者たちの中にはもはや人型ですらなく、怪物や奇形としか言いようのないものに変質している者さえいた。
オフィリオ氏の言うとおり、これはある種の呪いなのだ。
それが今、魔法のように解かれていく。
私は気がつけば泣いていた。
隣でワクチンを撒き続ける皆も、きっと同じだったろう。

 

どのくらいそれを続けたか……
銀行の周辺がようやく落ち着きを取り戻した頃、ふらふらと歩み寄る女性がいた。
生存者がいたのだ。
「アーサーさんおそいよ!」
そう涙ながらに怒る彼女はすっかり泥だらけになっていて、これまでの逃走劇がどれほど過酷なものだったのかをまざまざと語っていた。
彼女の名はMA、勇敢にして幸運な───ただ一人の、そう、この地獄で生き抜いた唯一の人間だった。
もしこれが物語なら、彼女のような人物こそ主人公を務めるべきだろう。

 

今夜の過酷な一幕の中でも、様々な物語があった。
せめて夫の手にかかりたかったと言い残して亡くなった女性は、数多の冒険者を食い散らかした最凶の感染者の心すら震わせたし、今際の際においてすら誇り高かった男性の言葉は、さながら死の詩人のようだった。
彼らには市から、僅かではあるが報奨金を出させてもらった。

 

他にも銀行から金塊を持ち出していった者、消防斧で感染者の頭をかち割りながら走った者、何故か墓石を背負って逃げた者、鉄パイプとバールのようなものを握りしめ、二刀流で数多の感染者を薙ぎ払うも力尽きた者、シャベルで穴を掘って隠れようとした者……。
悪夢のような夜だったが、そこには確かに人々の命があったのだ。

  

多くの人の助け、そして多くの犠牲をもって、ようやくトリンシックは平穏を取り戻した。
無論、未だ解決してない問題は多い。
隠谷の魔術師たちはどこへ行ったのか?
アルバートが見たというハイデン氏は本物なのか?
まだまだこの先も困難が続くだろう。
しかし私はけして歩みを止めまい。
得たものも失ったものも、等しく抱えて生きていく。
アルバートの遺髪は、パラディン島のアンクに収めた。
いつかこの島に再び聖騎士が戻る時、彼がまっさきにその姿を見られるように。
そしてこの平和を見ることなく、悲運のうちに息絶えた多くの人々。
───どうか、彼らの魂に安らぎあれ。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【TRINSIC OF THE DEAD】

◆最後の生存者賞
MAさん

◆最凶のゾンビ賞
モモエちゃん 5名ムシャムシャ
(スタッフなので景品は指名されたつけまいさん・えみりゅんさんに譲渡)

◆ナイス断末魔賞
くまはちさん
「俺の屍を超えていけ…! *くまはち死亡*」

◆火炎薬数 10/12本

◆ボーナスアイテム一覧
01.グリーンハーブ(発見されず)
02.レッドハーブ
03.ブルーハーブ
04.イエローハーブ
05.金塊
06.墓石【アーサーここに眠れ】←命令系…
07.飼育員の日誌
08.インクリボン
09.シャベル
10.消防斧
11.鉄パイプ
12.バールのようなもの
13.洗濯用ヘラ(最強アイテムだったけど発見されず)
以上13アイテム

火炎薬とボーナスハイテムの配置図・及び裏話は
技術協力の小麦粉FACTORYで解説されています。
 
◆発見者

チマさん 金塊/飼育員の日誌/イエローハーブ
クロスロードさん 消防斧/インクリボン/ブルーハーブ
アメさん 墓石/レッドハーブ
アゲハさん 鉄パイプ/バールのようなもの
テラさん シャベル
取得者には1アイテムにつき金一封を進呈

◆CAST
トリンシック騎士団
トリンシック市民の皆様
 
◆技術協力
小麦粉FACTORY 

◆出演協力
トリンシック歩兵隊
 
◆製作
TRINSIC OF THE DEAD製作委員会

御参加頂いた皆様
どうもありがとうございました!



7月24日
トリンシックから悪い知らせが入った。
今朝早くに北区のバリケードが破られ、大量の感染者の侵入を許してしまったのだ。
すぐ他の隊が駆けつけて再びバリケードを築いたお陰で、橋は渡らせずに済んだそうだが……あまりに急なことだったゆえに、中に多くの市民を取り残してしまった可能性が高い。
指揮官たちを責めるのは筋違いだろう。
より多くを守るために必要な判断だったのだ。
だが残された市民たちは、必ず助け出さねばならない。
これから急ぎ冒険者を募り、大規模な救出作戦を行うとのことだ。
貴重な時間をロスしてしまうが、バリケードに集まる感染者の数は加速度的に増えており、これ以上兵士を割いては肝心の拠点を守りきれない。
不幸中の幸いに、既に各地に火炎薬の配備は済んでいる。
取り残された人々が、それらを有効に使って身を守ってくれるのを祈るしかない。
彼らを救える唯一の希望がワクチンだが───
ここにきて、研究は急に行き詰まりを見せている。
オフィリオ氏や他の錬金術士が何度薬を精製しても、あのオリジナルと同じ効果が出ないのだ。
これまでが順調だった分、失望は多い。
実験が失敗する度に、アルバートは血を抜かれ傷から組織を採取されていく。
まったく、ここの連中は相手が瀕死だろうがなんだろうが、ちっとも容赦などしない……!
───ダメだ、ひどく気が立っている。

(グチャグチャと書き散らした痕)
(やけに上手い子犬の絵)
(ハイデン、という名前)
(そしてそれらのすべてに大きく☓がついている)

しまった!
明日は王都で評議会が開かれる日だ。
スペンサーがいないとすぐ予定を忘れてしまう。
幸いここからムーンゲートはそう遠くない。
明日の朝早く発てば間に合うだろう。

7月25日
王都で評議会に出席してきた。
参列者の数は少なかったが、私の知る限り初めてすべての首長が揃う評議会となった。
そんな目出度い場で、国王陛下に暗い報告しかお伝えできない我が身が心苦しかったが、嬉しい収穫もある。
なんと研究の行き詰まりを聞いた陛下が、手助けを申し出て下さったのだ!
陛下の元には数多くの優れた錬金術士がいる上に、陛下自身様々な研究を発表している超一流の錬金術士であられる。
恐れ多いことだが、この御温情に喜んで縋らせて頂こう。
会議が終わってすぐライキュームへトンボ返りし、大急ぎでこれまでの資料をまとめて王室広報官へお届けした。
このように民を憂えてくださる主君を得られた我々は、なんという幸せ者だろう。
……とはいえ、まだ事態は好転したわけではない。
王都へ来られた騎士団のスペクター殿とガレット殿から、トリンシックの様子を聞いた。
通信で伝え聞くより、現状は遥かに悪いらしい。
増え続ける感染者からバリケードを守ることで手一杯で、避難した市民のケアや、物資の補給などにも支障が出始めているようだ。
一刻も早く事態を収拾せねば、トリンシックは内部から崩壊してしまうかもしれない……。
夜半、レイからいよいよアルバートが危ないかもしれないと聞き、慌てて駆けつけた。
彼はもう呼吸が浅く、瞳孔も開きかけていた。
だが私の姿を認めると、残った左手で私の手を力強く握り締めた。
恐ろしいまでの力だった。
こういうものには覚えがある───何度も、何度も。
私に何か伝えたいそぶりを見せたが、あいにくそのまま意識を失ってしまった。
もう今夜はここを離れず、ずっと彼の側についているつもりだ。

7月26日
アルバートが死んだ。

……困ったな、何から書けばいいだろう。
まず、トリンシックの市民救出作戦の指揮は騎士団のリンス殿、そして補佐にスラウ殿が選ばれた。
二人とも責任感があり、統率力に優れた騎士だ。
彼らなら冒険者たちを上手くまとめ、作戦を遂行することができるに違いない。
現在募集を見た冒険者が、少しずつトリンシックに集まりつつあるようだ。
最終的にどれほど集まるかはわからないが、数は多ければ多いほど成功率が上がる。
トリンシックの英霊が、どうか彼らと助けを待つ市民たちを守ってくださるよう。
ワクチンの制作も、再び軌道に乗り始めた。
これも陛下とその配下の錬金術士たちがコミュニケーション・クリスタルを通じ、これまでの研究の粗や新しい発想を事細かに送ってくれるおかげだ。
ライキュームと刺激を与え合い、新しい方向からのアプローチを試みているらしい。
今度こそ成功して欲しい。
もうこれ以上の悲劇は懲り懲りだ……。
そして、アルバート。
彼の遺体はこれから解剖され───ワクチンの材料となる筈だ。
最期の最期まで、トリンシックに身を捧げた男だった。
亡くなる少し前、意識を取り戻したアルバートはもう一度言った。
ほとんど吐息のようなもので、とても聞き取りづらかったが。
あんたが誰か知っている、と。
以前からそんな気はしていた。
彼が私を見る目には、どことなく嘲うような、探るような色があったから。
「あんたの子犬を捨てに行かされたのは俺だった」とアルバートは言った。
もう覚えてないだろうけど、とも。
冗談ではない。
あの時私は死ぬほど泣いたのだ。
あまりに暴れて父親に引っ叩かれて、惨めに床に這いつくばりながら、まだ名前もつけていなかったあの子を抱いていく少年を、全身全霊で死んじまえと呪いながら睨んでいたのだ。
あれから父は死んだし、アルバートも死んだ。
私には案外呪術師の才能があるのかもしれない。
アルバートにもう一度、何故私を庇ったのか聞いた。
私が誰か知っていて、どうしてそんな真似をしたのか単純に不思議だった。
彼は、あんたが聖騎士を呼び戻すと言ったから、と答えた。
それから、もう氷のような手で私の手に力を込めた。
嫌でも思い出した。
私の手を握って死んでいった者たちの、冷たく濡れた祈りを。
いくつもいくつも、何度だって託されてきた。
マーティンも、アーサーも、グレン団長も、こうやって私を生かしてきたのだ。
だから私は今も呼吸をするのだ。
私の心臓は彼らの願いで、私の意志は彼らとの約束でできている。
程なくして、アルバートは死んだ。
私は彼のこともけして忘れないだろう。
彼の望みは私の一部になったのだ。
トリンシックにかつての名誉を取り戻す日まで。
その為にだけ、私は生きている。

───あぁ、早くなにもかもを終わらせてトリンシックへ帰りたい。



イベント【TRINSIC OF THE DEAD】 
いよいよ明日夜10時より開催!

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毎週土曜 夜11時~2時

次回のトリンシック市民会議
2016年8月21日(日)夜10時
出雲トリンシック パラディン島
訓練施設内会議場にて開催

イベント予定
夏の益荒男祭り
蜘蛛城脱出大作戦!!

2016年8月7日(日)夜10時より
市政ストーン前集合
詳細は コチラ
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