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前準備の段階からいろいろ失敗してホギャーでしたが、とりあえず開催の運びとなりましたTRINSIC OF THE DEAD  2!
22名の参加者様をお迎えしていよいよスタート。

オープニング、案内係と思わせみんなの信頼を一手に受けていた新米騎士アリゼが、途中でまさかの正体暴露。
いの一番に犠牲となったレズンさんが、雄叫びと共にゾンビ爆誕。
蜘蛛の子を散らすように逃げる冒険者、逃走を援護する騎士と警備隊員、そして始まるゾンビフィーバー!



しかし……

今回はあまりにもゾンビたちがエリートすぎた!
30分間の逃走時間の割り振りは、10分後にワクチン解禁、20分後に特務騎士投入。
勝利の鍵は10分まで少しでも多く生き残り、協力してワクチン輸送にかかることだったのだが……
次々とゾンビの毒牙にかかり、ワクチン解禁の頃には9割壊滅という悲劇に!



誰も取りにこないワクチンを守りながら、途方にくれる特務騎士たち。
街をさまよっても見渡す限りソンビ、ゾンビ、ゾンビ……。
やばい……トリンシック終了のお知らせが聞こえる……!!

仕方なく予定を繰り上げてアーサー市長が予備の後便と共に街へ帰還。
待ってましたとばかりに群がるゾンビを、護衛と共にダッシュで振り切り本部へ到着。
せっせとワクチン散布を開始する。



新型ワクチンが覿面に効き、夢から覚めたように正気に戻った冒険者たち。
参加者にスリルとサスペンスを味わってもらうどころか、スタッフの方が別の意味でスリル&サスペンスを味わうはめに。
逃げるのに忙しくてのんきにドリブルなんてしてられないわい!との苦情も80件ほど届いており猛省の次第であります。
ミッションインポッシボーでしたね……申し訳ない……自分たちで試した時は「イケる!イケるでこれ!」と思ったんですが……。

前回、見事唯一の生存者となったmaさんが、また動画を撮ってくれました!
相変わらず警戒心200%の隙のない位置取り……他人との接触を頑なに拒む姿に、必死に話しかける潜入ゾンビさんも付け入る隙が皆無。
が、いい位置に潜伏して油断したのか、よそ見していた瞬間にバックアタックで感染。
生存者期待の星のmaさんでしたが、大変残念な結果になってしまいました……。

【Love Love Moonglow TRINSIC OF THE DEAD 2】


いささか強引に本編が終了してのボーナスタイム。
町中の怪しげなアイテムを拾うとちょっとだけ賞金が増えるというシステムです。
今回は張り切って30個もアイテムをこさえてもらいましたが、やはり感染速度の早さにより半分くらい残ってしまうという悲劇第二弾。

 

制作・配置は今回も事あるごとに馬車粉労働させられた小麦粉マンです。
いつも苦労をかけるねぇ……そして次回も頼むよ(強制)
制作アイテムと配置図はコチラ!
【小麦粉∴Factory TRINSIC OF THE DEAD 2 ボーナス配置図】

回収数ナンバーワンは、7個収集のオデットさん。
中でも一番の大物は、首長官邸にこっそり置かれていたこの金庫。
鍵を開けると、中には市長のへそくり5,000gpと、金の延べ棒ならぬ金メッキの板切れ数本が白日の元に!
延べ棒じゃなくてごめん……ちょっとセレブ気分を味わってみたかったんだ!

さらに今回の「ナイス断末魔賞」を獲得したのはクニコさん。
「イヤッ、こんなところでゾンビなんかに…ア、ア、ア、アブゥーーーー!」
でリアルに吹いてしまい、文句なしの受賞でした。
かなりツボに入っており、今だに字面を直視するとブフッってなります。

おまけ:他の断末魔ダイジェスト
「きゃあああああアアあ”ああ”あ”ア”ア”ア”ギギ”ギ”グ”・・・アーサ”-こ”ろス”・・・」
「あっ...クセになりそうな噛まれる痛み...ギモチイィィ...グヘヘ...」
「読み終わってない薄い本がまだ部屋にいいいいい!!」
「毛を・・・毛を毟るなーーーっ」
「やめて!おれの尻子玉返してええええ」
いろいろ大事なものを奪われた人が多かったようで心配です。

最後は今回のダークホース、「潜入ゾンビ」さんの紹介。



潜入ゾンビ当選者は2名、トマトさんセレスティアさん。
二人共巧みな演技力で無辜の一般冒険者を装い、仲間の隙につけ込んでの見事な「かかったなバカめー!」をしてくれました。
お疲れ様でした!

今回は反省したい点もいっぱいあり、ちょっぴり悔いの残る開催になってしまいましたが、じ、次回こそ……次回こそもっと上手くやり遂げたいと思っておりますので、いろいろ多目に見てやって頂けると嬉しいです。
ご参加頂いた皆様、ご協力頂いたスタッフ方、どうもありがとうございました!

大道具設置中に見かけた首長官邸。
誰だこんな現代アートすぎる飾り付けをしたのは!!


P.S
一週間以上も無駄な頑張りを費やした自己満足プロローグ、「句読点多すぎでしょほんと文才ないよね…」って言われたけど文才はともかく句読点はわざとだから! わざと書き方変えてみただけだからああああ!!
なお前回一週間やったつもりが5日間だけだったので、今回ももっと短くすれば良かったって後から後悔したのは秘密だよ!
しかも日付間違えて1日早く始めちゃって結局8日間に……もう始まりからダメダメやったんや……
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◆TRINSIC OF THE DEAD 2 ~From Darkness~

【開催日時】
3月8日(日)夜10時より
出雲トリンシック市政ストーン前集合

【集合場所】
出雲トリンシック市政ストーン前
(集合後、会場へ移動します)

【概要】
ゾンピパニックを模した、アイテムドロップ系鬼ごっこ。
トリンシックの限られた区間を舞台に、ゾンビから逃げ惑って下さい。
ゾンビに捕まったら、自分もゾンビと化して生存者を追い回しましょう。
雰囲気を盛り上げる為、RP的な演出があります。
空気を読んでノリノリで『なりきって』下さい。

【設定】
最近行方不明事件の頻発しているトリンシック。
以前のゾンビ事件との関連を疑ったアーサー市長は
捜査の傍ら、新型ワクチンの開発に着手する。
犯人を逃さない為、市内各地が封鎖されていく中
ワクチンの材料が大量にトリンシックへ入荷された。
集まった冒険者たちの任務は、その荷の本部への護送。
だが彼らには知る由もなかった。
───見えない敵の魔手が、すでに忍び寄っていることなど。

【ルール】
スリリングを盛り上げる為、今回はオールネーム禁止です。
オプションの項目で設定を切って下さい。

◆2Dクライアントの場合


◆SAクライアントの場合
 

◆UOAをお使いの方
「一般」タブの中の「画面内のプレイヤーとクリーチャーの名前を表示」のチェックを外す。

最初に必要なアイテムが配布されます。
・消毒済みの青ローブ(生存者のしるし)
・ルールブック
 ─ ゾンビ化後用 ─
・モンクローブ(ゾンビのしるし)
・死体パーツ(ドロップ用)


RP的導入が終わった後、強制的に開始となります。
トリンシックの閉鎖された区画内を逃げ回りながら
「ワクチンの材料」を本部までドリブルで運んで下さい。
当日は赤い×にバリケードが作られます。


制限時間は30分。
全員感染したら冒険者の負け。
「ワクチンの材料」がすべて本部に届いたら勝ちです。
騎乗・飛行は禁止。
インビジ・ハイド・ステルス・テレポなども禁止です。
自分の足で走って逃げましょう。

 ゾンビに追われ、アイテムドロップを受けたら『感染』です。
この時アイテムの受け渡しは必要ありません。
1瞬でもウィンドウが出たら諦めてゾンビになりましょう。

ゾンビ化したらモンクローブに着替えます。
この時ハロウィン衣装があればぜひ装着してください(ゾンビ・骨)
ネクロスキル持ちはリッチ化でも構いません。


あとはゾンビらしいRPをしながら、青ローブの生存者を追い回しましょう。
所持している死体アイテムを持ち上げて走るのがポイントです。
※ご注意
ドロップに失敗して床に落ちたアイテムを、そのまま持ち上げて行くと
次に失敗した時最初の地点に戻ってしまいます。
一度落としたら、必ずカバンに戻すようにしましょう。
どうしても失くしてしまったら、そのへんの地面に散乱している死体を
拝借して構いません。
 
◆システムその1
開始10分経つと「ワクチンの材料」箱が解禁されます。
箱は赤・青・黄の3つ。
下図の地点から、本部目指してドリブルして下さい。
途中ゾンビの襲撃を幾度も受けるはずですので、運びきるには
生存者たちのチームワークが大事です。
ゾンビの隙を見て、少しずつ進めていきましょう。
もちろんゾンビは箱に接触してはいけません。


箱を本部の机の上へ護送したらゴールです。


白い絨毯の上は、騎士魔法によって作られた対ゾンビ結界です。
箱置き場前にゾンビがたむろすのは禁止。
 
◆システムその2
今回は「潜入ゾンビシステム」が導入されています。
潜入ゾンビは冒険者に紛れつつ、必殺のタイミングで正体を現し
冒険者を毒牙にかけるサプライズキャラです。
選出は参加者の中からランダム。
スタッフがパーティに誘いますので、その指示に従って下さい。
襲う相手もタイミングも任意ですが、必ず10分後の箱解禁までに
誰かを餌食にすること。
襲いそこねても、10分後には自動的に正体が暴かれます。
一度誰かを襲った後は、そのままゾンビとして活躍して下さい。

 
  ◆オプション
街の各地には、こっそり『非常物資』が置かれています。
●火炎ポーション
ゾンビは火に弱く、火炎を浴びている間は動けなくなります。
その隙に距離を稼いで逃げ切りましょう。
※自分がゾンビ化した時もこのルールは厳守です。


●ボーナスアイテム
特に効果はありません(エェー)
ゾンビゲーの雰囲気を出したいという要望で実装されました。
生存時にこれらのアイテムを所持していると、賞金が増えます。
怪しい物を見つけたらとりあえず拾っておきましょう。
例:グリーン○ーブ、バー○のようなもの、金塊
  
 
●対ゾンビ特務騎士
後半の追い込みに入ると、対ゾンビ装備を整えた騎士たちが
現場に投入されます。
彼らは火炎POTを惜しみなく使い、生存者の援護を行います。
特務騎士ですので噛み付いてもゾンビ化しません。
しませんから噛み付いてはいけません!
  
 
ゲーム中はチャットに入って頂きます。
生存時
●生存者の点呼を受けた時の返事(生存確認)
死亡時
●自分なりのイケてる断末魔(死亡確認)
ゾンビ中
●誰を確保したか必ず報告(確保数カウント)
といった感じで利用していきます。
 
当日はルールブックを配布しますが、口頭での説明はありません。
RP的演出のためです。
ゾンビワールドは地獄なのです。
チンタラしてるマヌケから死んでいくのです!
(ただし死んでからが本番)

というわけで、皆様ぜひ奮ってご参加ください。
ゾンビ郎君 「負け犬の俺がトリンシックに帰ってきた途端感染したウボアアア」

ゾンビ郎君 「下水道に流されて毎日ネズミ食ってるお…死にたい」

レクイエムさん 「脳味噌腐ってない新種発見!! 僕と一緒にテロしないかい」

ゾンビ郎君 「よしきた、アーサーきゅん殺すお!」

レクイエムさん 「とりあえず人攫いまくって新種ゾンビ増やしまくろうず」

新種ゾンビーズ 「トリンシック滅ぼそうず!」

ゾンビ郎君 「リア充に絡まれたお、みんな死ねばいいお!」

聖騎士ーズ 「ギャー」

トリンシック騎士団 「特 定 し ま す た」

レクイエムさん 「お前何してんの? 失敗だし僕帰るわ」

ゾンビ郎さん 「うるせーお、お前も死ねばいいお!」

レクイエムさん 「ギャー」

ゾンビ郎君 「もうアーサーきゅんと心中するしかないお…」

ゾンビ郎君 「レクイエムさんは騎士団に殺されたお、みんなで仇取るお!」

新種ゾンビース 「よしきた、死なばもろともだお!」←潜入ゾンビさん

アーサー君 「ワクチンできたどー!」

冒険者ーズ 「裏事情はサッパリですけどワクチン運べばいいんですね」←参加者さん



潜入ゾンビさん参加者さんの部分だけ分かってれば問題ないよ!
イベント【TRINSIC OF THE DEAD 2 ~ From Darkness ~】
❖トリンシック・トリビューン 2015年2月28日
 【市長記者会見 「ゾンビ事件」への対抗策を指示】
 2月28日午後、トリンシック市庁舎にて、アーサー市長が記者会見を行った。
 10名近い犠牲者が出たとされる今回の事件について、アーサー市長は「遺憾の極み。市民や聖騎士の命を無為に奪った犯人をけして許すことはできない。全力を挙げてこれに対応する」と発言した。
 ───今回の事件の首謀者は、もう特定できているのですか。
 既に目星はついているが、捜査の為にコメントは控えさせて頂く。
 ───市庁舎として、今後どのように対策なさるのですか。
 現在、押収した薬品類を詳しく調査している。犯人の目的がバイオテロであるのは明らかだ。以前同様ライキュームで対抗薬を作り、トリンシック全域に配布して薬害を未然に防ぐ。
 ───それまでの間、市民に危険はないのですか。
 警備体制を変更した。同時に、市民は各家に配布した冊子に従い日常生活に気をつけて欲しい。それが感染を防ぐことに繋がる。
 またアーサー市長は、聖騎士見習いの一部を昇格させ、聖騎士団に編入することを発表した。
 惨殺事件によって出た欠員を埋め、警備の強化を図る目的と思われる。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 知識と経験を与えたのは失敗だった────
 かつてそうレクイエムが言っていたとおり、真相を掴んだ騎士団の動きはおそろしいほど早かった。
 今までちんたらと誘拐捜査をしていたのが嘘のように、続けざまに手を打って俺達の動きを封じてくる。
 あとはじわじわ追い詰められて、いずれ一人づつ、あるいは一網打尽に潰されるだけだろう。
 俺たちはとっくに積んでいる、そんなこと分かってる。
 悼ましげな表情で新聞の一面を飾る「アーサー市長」の顔を、俺はガリガリと掻き毟った。
 本物でもないくせに、よくもぬけぬけと、なぁ、お前は誰なんだよ、なんでアーサーを騙ってるんだよ、本当のアーサーはどこへ行ったんだよ、どうしてここに居るんだよ、なぁ、なぁ、なぁ!
 聞きたいことはたくさんあるのに、俺達はまだ一度も言葉を交わしたことがない、それどころか、こいつは俺のことなど知りもしない。
 不公平だよな?
 俺は自分の名前が思い出せない、子供の頃の思い出も、惨めな挫折の記憶も、こんなに鮮やかに残っているのに、俺は俺が誰だったかわからない。
 同じ、名前の無い者同士、もっと公平になろう、俺の不幸の分だけ、お前も不幸になってくれないと。
 あいにくこの男は市庁舎に篭もりきりで、常に騎士団に守られている、そこへ襲撃をかけるのはバカバカしいと、俺の腐っているかもしれない脳味噌でもわかる。
 かといって隙ができるまで待っている時間はない、もう黒い薬はライキュームへ送られてしまった、以前はどのくらいでワクチンを作られたっけ、3日、4日?
 薬自体以前とは進化しているから、もっと時間がかかるかもしれない、でもどっちにしろ、ワクチンが出来てしまえばすべておしまいだ。
 だから、その隙間を。
 奴らが一番油断する瞬間を、狙うしかない。


❖トリンシック・トリビューン 2015年3月7日
 【ワクチンの材料確保 8日、市長と共にトリンシックへ到着】
 3月6日午後、トリンシック市庁舎は、市民分のワクチンの材料が確保できたと発表した。
 トリンシック市は2月25日から、地下に潜伏していたテロ組織から押収した薬品をライキュームへ運び、対抗薬の開発に着手。
 ワクチンは3月2日に完成したが、希少な素材を使用するため大量生産が難しく、アーサー市長自らが各都市を周り、材料の確保に奔走していた。
 ワクチンの材料は、8日に複数の船便でトリンシックに到着する予定。
 トリンシック騎士団は、未だ潜伏を続けるテロ組織がワクチン配布を妨害する可能性を考え、都市警備を強化、到着する材料も冒険者を雇って厳重に護送する意向だ。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「明日だ」
 俺はトリンシック・トリビューンを放り投げて、並ぶ仲間たちに言った。
「もう潜入の手筈は済んでいます」
 進み出た仲間が、自信ありげに答える。
 俺達の唯一だが最大のアドバンテージ、それはヒトと変わらない姿と知能だ。
「まだ情報は公開されていませんが、既に騎士団の大部分はワクチンを投与されているようです。彼らを狙うのは得策ではない。狙うなら……」
「ワクチンを護送する冒険者、だな」
 募集された冒険者の中に、数人の仲間を潜り込ませた。
 幸い騎士団の大部分は、避難させた市民の護衛にあたっている、奴らが出てくる前に、出来る限り冒険者を感染させる。
 ワクチンは作らせない。
 今の俺達では、また知性のない食い意地だけの化け物しか増やせないが、それで充分だ。
「数で押し切って騎士団を壊滅させ、バリケードを破り、市民を皆殺しにして、この街を滅ぼす」
 わかってる、ただの希望だ、そんな簡単にはいかないだろう、でも俺は、分からせたい、お前らに思い知らせたい。
 俺は、俺は、

 俺 は こ こ に 居 る。
 I'm in the Darkness.

 誰にも気付かれないまま消えたくない、一人闇の中で終わりたくない。
 明日ここへ帰ってくるという紫の目のアーサー、その目に絶望が浮かぶところを見たい、そうしたら俺は、今より少しだけ幸せになれる。
 もしこの手が届いたら、絞め殺す前に名前を聞こう、本当の名前を。
「トリンシックに死を、「アーサー」に死を!」
 俺を知れ、俺の憎しみを知れ。
 お前たちが明るい場所を歩く間、暗闇で育み続けた俺の心を!
 俺にはもうそれしかない、俺の望みは誰かの不幸でしか満たせない。
「死を、死を、死を!」
「レクイエム様の仇を!」
「この街に永遠の鎮魂歌を!」
 薄暗い部屋に響く呪いの声、俺の憎悪に感染した、この街を恨まずにいられない可哀想な者たち、さぁ一緒に行こうじゃないか、あいつらを少しでも多く不幸にしてやるために。

 この暗がりから這い出して。

 

イベント【TRINSIC OF THE DEAD 2 ~ From Darkness ~】

❖トリンシック・トリビューン 2015年2月23日
 【トリンシック東南部が封鎖 詳細不明】
  2月23日の早朝から、トリンシック東南部の数カ所が騎士団により封鎖されていることが分かった。
  現場には立ち入り禁止のロープが張られ、見張りの騎士も付いて物々しい雰囲気とのこと。
 しかし今のところ市民はもちろん、報道関係者の接近も禁じられており、詳細は一切不明。
 昨日起きた聖騎士大量虐殺事件との関連も含め、関係者の発表が待たれている。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 聖騎士たちを殺したのは、明らかに失敗だった。
 ほとぼりが冷めるまで身を潜めよう、そう反省したのも束の間、まさか翌日にはこの下水道へ騎士団が突入してくるなんて、夢にも思わなかった。
 俺とレクイエムは、まさにほうほうの体で逃げ出した。
 捕まらずにあの場を脱出できたのは、奇跡のようなものだ。
 迷路のような通路を這いまわり、ようやく騎士団の手が回っていない出口を見つけた時には、手も足もくたくたになっていた。
「愚かな真似をしたものだな」
 レクイエムは俺の失態を許さなかった。
「あの薬が彼らの手に渡ったら、なにもかも台無しだ! せっかく上手いこと目を逸らしていたのに、自分から証拠を与えに行くなんて。君の脳味噌は無事だと思っていたが、どうやら間違いだったようだ」
 あまりに前触れのない襲撃で、何一つ持ち出せていない、ここに持ち込んだ機材、作り貯めた黒い薬、大量の死体、全て置き去りだ、確かに物証には事欠かない。
「わかってる、浅慮だったのは謝る、だけど俺は全部殺したし、誰にも見られてなかったはずだ!」
 いったいどうしてここがバレたのかわからない、仲間の情報ではあいつらは別件にかかりきりのはずだったのに。
 俺は爪をギリギリ噛みすぎて、危うく指ごと噛みちぎってしまうところだった。
「……出直しだな」
「え?」
 レクイエムの声は冷たかった。
「もうトリンシックに留まるのは危険だ。ここを離れる。といっても港も門も封鎖されているから、外から手を回してもらわなければならないがね」
 立ち去る? 出て行く? また?
「ま、待ってくれよ、せっかくここまできたんだ、仲間だってできた、それを」
「こんな僅かな人数で何ができる? 根を張る前に抜かれたのでは何にもならない。私達の計画は失敗したんだ」
 レクエイムは俺に取り合わず、出口の鍵を開ける。
「すぐ外に連絡を取る。それまでは誰か仲間のところに身を寄せるしかないな」
 そんな簡単に諦められるのか、お前はこの街が憎いんじゃないのか、今までの数ヶ月が無駄になって悔しくないのか、あいつらに一泡吹かせたくないのか。
 また負け犬のように、惨めにこの街から逃げ出すのか?
「────いやだ」
「いい加減にしたまえ、誰のせいだと……」
 レクイエムは続きの罵倒を言えなかった。
 かわりにゴボゴボと血の泡を吐き出す。
 俺の手は痩せこけた胸を突き抜けて、脈打つものを掴み出していた、右手に力を込めて、それをグチャリと握り潰す。
「俺はもう、逃げない」
 レクイエムの死体を下水の中に蹴り落として、俺は一人で外に出た。



 レクイエムは騎士団の連中に殺された。
 そういうことにした。
 文字通り血を分けた仲間たちは、ひっそりと俺を匿い、俺の話を残らず信じてくれた。
 もともと憎しみしかない連中だ、俺が言い出すまでもなく、復讐しようという話になるのは当然だった。
 何人かはいつの間にか消えていたが、仕方ない、そういう奴はどこにでもいる。
 どっちにしろレクイエムの水薬がなくなった今、俺達のように適応した者でも、そう長くは正体を隠していられない。
 終わる前に、消える前に、俺は思い知らせたいんだ。
 この街に、そして、あの男に。
 まだ何もしないうちに、誰にも知られないうちに、こんな気持ちのまま、追い立てられるなど我慢できない。
「どうして奴らが下水道のことを突き止めたのか、わかりましたよ」
 騎士団の動きを探らせていた仲間の一人が、ひっそりと俺に耳打ちした。
「ダイイング・メッセージです。……聖騎士の一人が、息絶える前に何か書き残していたとか」
 そうか、と答えるのも億劫だった。
 だから嫌なんだ、騎士なんてものは、どこまでも忠実で、誇り高くて、眩しすぎてうんざりする。
「壊そう」
 俺は呟く。
「壊しましょう」
 いくつもの声が唱和する。
 命に糧が必要なら、俺達の命を燃やすのは、この真っ黒な感情の他にない。

❖トリンシック・トリビューン 2015年2月24日
 【「ゾンビ事件」再び 犯人は旧下水道に潜伏か】
  2月24日、トリンシック市庁舎は、今年1月から続いた一連の失踪事件、及び先月22日に起きた聖騎士虐殺事件を、昨年7月の「ゾンビ事件」関係者の犯行と断定したと発表した。
  また犯人は少なくとも数ヶ月、トリンシック港地区地下の旧下水道内に潜伏していたことが分かった。
  昨日発見された旧下水道は、トリンシック建設時に建てられたもので、地図からも消されていたため捜査上の盲点となっていた。
  突入した調査部隊の報告によると、内部ではおぞましい実験が行われていた形跡があり、犯人はすでに逃走していたとのこと。
  現場で採取された残留物はライキュームへ運ばれ、入念に分析されるという。
  市としては、再び集団感染事件に発展することだけは、なんとしても避けたい意向だ。
  また捜査本部は、各地の検問に不審な人物が現れないことから、犯人はまだ市内に潜伏しているものと推定。
  旧下水道が伸びている港区、東区の全域、及び北区の一部を封鎖すると発表した。
  トリンシック市庁舎は、引き続き市民にくれぐれも外出を控えると共に、何か不審を感じたらすぐにガードへ通報するよう呼びかけている。

イベント【TRINSIC OF THE DEAD 2 ~ From Darkness ~】

── Season 1 Story ── Diary of Arthur
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~Diary of Arthur~ FINAL

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2016年8月21日(日)夜10時
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訓練施設内会議場にて開催

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夏の益荒男祭り
蜘蛛城脱出大作戦!!

2016年8月7日(日)夜10時より
市政ストーン前集合
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